ひまわりが枯れるとき、ライオンは…

「陽葵李ちゃんは準備あるから獅子谷くん先に屋上行ってまってて。」

小山さんにそう言われて、俺は屋上で高野さんを待っていた。

俺の他にも何人か花火を待っている人がいた。



まもなく、花火が始まろうとしていた。



『獅子谷くん、おまたせ!』


呼ばれて振り返ると、小山さんに車椅子を押してもらっている高野さんがいた。

白地にひまわり柄の浴衣を着ていた。

そして、俺が渡したお面を持っていた。

「はい、到着!!」

『ありがとう、真美子さん。』

「じゃあ、ごゆっくり。」

そう言って小山さんは戻って行った。

浴衣姿の高野さんはなにかいつもと違った。

いつもより、隣にいて緊張した。

「…浴衣持ってたんだ。」

『六花たちともしかしたらいけるかなって思って買ってたんだ。真美子さんに、買ったんだったら着なきゃ勿体無いでしょって着せられたの。花火間に合わないかと思った。』

その瞬間、夜空に花火が咲いた。

美しい花火は咲いてすぐに枯れてった。

「本当に、ギリギリだったね。」


『危なかったよ……綺麗だね。花火。』 


「うん。」


『中村くん達と見なくてよかったの?』


「早くお使い済ませたかったんだ。だから、いいんだよ。」


『ちゃんと他と人とも仲良くできた?』


「…高野さんの言った通り、新しい友達が2人できたよ。まだ、友達って言っていいかわからないけど。」


『ほらね、だから言ったでしょ?』

「…うん。」

その後は2人とも無言で花火を見続けた。


花火は、長いこと咲き続けていた。


枯れては咲き、枯れては咲きを繰り返していた。


そして、1番最後に1番大きな花火が咲いた。

この花火大会の目玉だ。


俺はその花火を見逃した。



ふと見た高野さんから目が離せなかった。