ひまわりが枯れるとき、ライオンは…

朝食を済ませて、俺たちはホテルを出た。

高野さんはひまわり畑に行くことしか考えてなかったらしく、目的のない俺たちはまた、辺りを散策した。

食べ歩きをしたり、お土産を買ったり、そこそこ楽しかった。

その後、空港に向かい帰りの飛行機に乗り込んだ。

『あー、楽しかった!』

「…そうだね。」

『なんか、楽しかったっぽく見えないんですが。』

「あのさ、高野さん。」

『何?』

「昨日の夜は、改めてその…色々ごめん。」

『あー、一緒に寝たこと?』

「ちょっ、言い方。それもそうだし、変な話聞かせちゃったし…。」

『だから、謝らなくていいって言ってるじゃん。潔白だから安心して。笑』

「からかってる?」

『うーん…少し?笑』

高野さんは、イタズラっ子のような顔で笑っていた。

『獅子谷くん。』

「ん?」

『ありがとう。私のわがままに付き合ってくれて。獅子谷くんのお陰で、楽しかった。』

そう言って、高野さんは眠った。

俺が、眠るまで起きていたからだろう…。

こうして、俺たちの北海道旅行は終わった。