「…ありがとう…ございます。」 柳井の口調はやっぱり穏やかで、心から安心できた。 そう言えば、高校生の頃、お互いが清水のことを想っているとわかった後でも、何かと気にかけてくれていたなぁ。 そんな事を想い出していた。 「そろそろ、約束の時間なんじゃないのか?」 珠利が10時にたかさんに会えるって、楽しみにしていたよ。 柳井の後押しを力強く思った。 「はい。あ…そうだ。」 言いかけた俺。