そんな放課後。

柳瀬は部活に入らなかったので、お互いに用事のない日は帰りも一緒に帰っている。


ちなみに私は写真部に入ったものの、活動は不定期な為、ほぼ帰宅部状態だ。

勉強するであろう教科書を選んでカバンに詰めていた。


「おい麦、早く帰る準備しろ」

いつものように早々とリュックを背負った柳瀬が前に立っていた。


「あー柳瀬ごめん。今日用事があって一緒に帰れな…『麦ちゃん!』」

教室の後ろドアには久野先輩が手を振って立っていた。

私はその笑顔に見惚れながらも、先輩のもとへすぐに駆け寄った。