「付き合ってねーよ。勝手に決めんな」

すぐに返ってきた返事がそれだった。


「……え?」

「タイプじゃねえって言っただろ」

私は目をぱちくりさせた。


……どういうこと。


「えっでも水族館で見かけたよ。柳瀬と鈴木さんが一緒にいるの」

記憶をたぐり寄せる。


……うん、確かにあれは柳瀬と鈴木さんだった。


「水族館に行ってあれっきりだよ」

……あれっきり。一回だけってこと?


「……どうして?」

「一度デートしてくれたら諦めるって言われて。仕方なくだよ」



「私の、勘違い……」

ほっとしている自分がいた。また、そばにいていいんだ。それからもうひとつ。