「あっ、もしかして恋人繋ぎのほうが良かったですか?」

「なっ……違います!」


 すぐさま反応したけれど、今度は松野くんに指を絡められ、恋人繋ぎにされてしまった。


「ま、松野く……」
「先輩の手、小さいですね」

 松野くんがふっと優しく微笑む。
 どこか色っぽさを感じる笑みに、ドキッと胸が高鳴った。


 手から伝わる温もり。
 強引だけれど、どこか優しい握り方。

 松野くんを“男の人”と認識したことにより、変に意識してしまい、鼓動が速まるのがわかった。


 これじゃあ松野くんの思うツボだ。
 それなのに、慣れていない私は嫌でもドキドキしてしまう。


「もしかして、照れてますか?」
「……っ」

「ただ手を繋いだだけなのに。かわいいですね、先輩」


 “ただ”って、こんな堂々と恋人繋ぎをされて反応しないほうがおかしい……‼︎