ご飯をゆっくり食べられるとか、のんびり準備ができるとか、太陽の光を浴びて外の空気を吸うと気持ちがいいだとか。

 思いつく限りのことを口にしていた。
 そんな私の話を聞いて早起きをしようと思ったの……?


 なんて健気な子なんだろう。
 見た目とは違って純粋なんだ、松野くんは。


「早起き、どうだった?」

「正直かなり辛いです……眠くて眠くて、何度も寝ながら準備してました」


 寝ながら準備……何となく想像ができて、つい笑ってしまう。


「笑うなんてひどいですね、先輩」

 松野くんは軽く怒っていたけれど、それ以上にとにかく眠たいようで、すぐにうとうとし始めた。


「先輩」
「はい」

「となり……座ってください」


 松野くんがいたことに対してのおどろきが強くて、私は立ったまま会話をしていたけれど、彼に座るよう促される。

 おとなしく隣に座るなり、彼は私の肩に頭を置いてきた。