「そうなの?松野クン」
「……このまま先輩のこと攫ったほうが早そうだな」

「へ⁉︎」


 攫うって、不穏な言葉が松野くんの口から出て驚く私。


「俺はこの後、先輩と一緒に昼休みを過ごしたいです。ダメですか?」

「だ……めじゃない」


 松野くんの誘いに頷き、私たちは食堂に行くことにした……けれど。


「あーっ、芽依先輩!今から凪とご飯ですか⁉︎」
「凪くんより私たちと一緒にご飯食べましょうよ」


 廊下でばったり会ったのは、松野くんと仲のいいふたり組の女の人たち……名前はアキちゃんとレイちゃん。

 今では名前で呼び合うほど仲良く……というより、むしろ気に入られたという表現のほうが正しい気がする。