「好きです、先輩のこと。だから……俺と付き合ってくれませんか」

「……っ、うん……!私も松野くんのこと、好きだよっ……!」


 松野くんを好きだと思う自分が、もう怖くない。
 だって十分すぎるくらい、松野くんの真剣な思いが伝わってくるから。


「あー……その反応はかわいすぎますよ先輩」
「え……」

 それは一瞬の出来事だった。
 松野くんが私の唇に、触れるだけの軽いキスを落としてきたのだ。


「……っ!ここ、外だよ……!」
「はい。だからこれで我慢です」

 幸い、誰も見てる人はいなかったけれど……外でこんなことをされるのはかなり恥ずかしい。

 それでも本気で怒れないのは、嬉しさのほうが勝っているから。


 松野くんと正式に付き合うことになり、思わず笑みが溢れてしまった。