キスをしながら私のジャケットを脱がせて、自分もジャケットを脱ぎ捨てた昴生さんが、ワンピースのスカートの中に手を入れて、指先でつーっと太腿を撫でてくる。

 その途端に昴生さんからキス以上のことをされようとしていることへの羞恥が沸いた。


「ね、コウちゃん……。ちょっと待って……」

 焦ってスカートの中の手を退けようとすると、昴生さんが拒もうとする私の手をつかまえて口付けた。


「ちゃんと女に見えてるって証明してほしかったんじゃねーの?」

 馬乗りになった昴生さんが、口元に意地悪な笑みを浮かべながら私を見下ろしてくる。


「大丈夫。もう、充分わかったから……」

 意地悪く笑っていても、昴生さんの顔は整っていてとても綺麗で。心臓がドクドク鳴って、まともに目を合わせていられない。

 ふいっと横に顔をそらすと、昴生さんが「咲凛」と私を呼んだ。


「いや、全然わかってないだろ。ちゃんとこっち見ろ」

 それでも顔をそらしたままでいると、昴生さんの手が私の顎をつかまえて正面を向かせる。


「こんだけ一緒にいて、手ぇ出さずにいてやった俺のやさしさに感謝しろよ」

 エラそうな物言いとは裏腹に、私を見つめる昴生さんの眼差しはとても優しい。