二人の幼なじみに愛されてます




「ごちそうさま」



お弁当を食べ終わって、片付ける。

律くんは私より早く食べ終わっていて、お弁当箱はすでに横に置かれていた。

食べるの遅いから、誰かと一緒に食べるときは待たせてしまうんだよなあ。それが
ちょっと、申し訳ない。



「おいで」



私がお弁当箱を片付け終わると律くんが言った。

律くんは膝をとんとんと叩いて、私を呼んだ。私はお弁当箱を横に置いたまま、律くんの膝の間に座った。律くんの腕が後ろから前に回ってきた。

背中に律くんの体温を感じた。雨で少し肌寒かったのがなくなった気がした。



「愛乃」



後ろから名前を呼ぶ律くんの声がする。少し低くて優しいその声で名前を呼ばれることがずっと好きなんだ。



「なぁに」



「呼んだだけ」



「なにそれ」



律くんになら用事がなくても、名前を呼んでいてほしい。