二人の幼なじみに愛されてます

四時間目の授業が終わってすぐに律くんが私の教室にやってきた。



「愛乃」



律くんは私のところまできた。



「律くん、授業終わるの早いね」



私はまだ教科書を片付けてもいないのに。



「愛乃に会いたくて、急いできたからね」



朝も一緒に登校してきたのに律くんは大袈裟だなぁ。



「雨降ってるけど、どこで食べるの」



お弁当を取り出して、窓の外に目を向ける。

予報通りに昼前から雨が降り出していた。



「誰にも邪魔されないところ」



律くんの言葉に首をかしげる。



律くんの後をついていくと、そこは屋上へと続く階段だった。



「ここならだれも来ないから」



確かに雨が降っている今日は屋上へ行く人はいないだろう。

でも、わざわざ人が来ないところでなくてもいいのに。なんで誰も来ないところがいいのかなぁ。

不思議に思いながら、律くんの隣に座りお弁当を広げた。