二人の幼なじみに愛されてます

じゃあ、私は理央のなに。クラスメイト? 近所の知り合い? それとも、赤の他人?
考えただけで恐ろしい。

一人考えを巡らせていると、理央が「はあ」とため息をついた。



「ばーか」



ため息の次はばかとかひどい。



「いいもん、律くんに聞いてくる」



律くんだったら理央の好きな人のこと知ってそうだし。

理央に背を向けると突然腕を引っ張られた。



「あれ、教えてくれる気になった? 」

「言わない」

「じゃあ、手放してよ」



つかまれたままの手に目を向けるとすぐに放された。



「帰るよ」



うん、バイバイ。って、私もか。



「ちょっと、待って」



まだ、準備してない。



「俺の好きな人知りたくないの」

「知りたい」



急いで教科書を鞄に詰め込んで、教室を出ようとする理央を追いかけた。