二人の幼なじみに愛されてます

理央は白いままのノートに目を向けるのに倣って、私も広げられたそれを見る。



「今日もって? 」

「こないだも、あんま集中できてなかっただろ」



こないだ。三人で勉強会したときもあまり進まなかったんだよね。
気づいてたんだ。



「もう、家でしたら」

「そうだね」



ノートを閉じて、荷物を片付ける。



「本気でやんないとテスト、やばい点数とるかもしれないしな。愛乃にはレベル高い学校なんだから」

「わかってるよ。今からするもん」



鞄を抱きしめて立ち上がる。



「テスト終わるまでなにもしないから」



それは終わったらなにかするってことなの。



「それまで、律にも何もさせるなよ」

「何もって」

「例えば――」



唇をなぞられる。ぞくぞくと体に電気が走ったようになる。



「律にはキスされた? 」



キスって。されたのは理央だけだよ。

何も考えられなくて、首を横にふる。