義弟が『俺、異世界賢者の転生者だ』と言い出した【中編】

 ウサギでめそめそ画像送信。
『そもそも、大学で会っても話しかけるなよ恥ずかしいからとかいうのが普通だと思う』
 とぐろを巻いて、ソフトクリームを食べる蛇の画像が送られてきた。
 どこで入手したんだこんな画像。
 っていうか、っていうか!
『ま、じ?せっかく同じ大学なのに、食堂とかで見かけても声かけちゃ駄目なの?』
 ビックリ仰天の逆立ちくま画像を送信。
『友達に、あれお前の姉ちゃんかよ、とか母ちゃんかよ、とかからかわれたくない人多いと思う』
 そう言われれば……そうかもしれない。
 今まで、中学も高校も一緒になったことがなかったから知らなかったけれど……。
 そういえば、中学の時も高校の時も、弟が同じ学校にいる子が弟と話をしているところは一度も見たことないかも。
『だから、姉ちゃんと呼ぶのも姉貴って呼ぶのも大学では同じなんじゃない?』
 ゆきちゃんの言葉に目の前がぱぁーっと明るくなりました。
『そっか!結梨と呼ぶことで、大学でも話しかけてもいいよって言う許可がおりたようなものってことだよね!』
 頬っぺたぷにぷに、お目々キラキラのカピパラ画像を送信。
『あー、まぁ、えーっと、どうかな?』
『だったら、結梨と呼び捨てにされてもいいや。うん。私は和樹……君ともう少し他人行儀にしようか。あ、結梨先輩って呼ばれるのもいいかもしれない』
『あ、ごめん、デートの時間に遅れる。じゃぁね!』
 ラインはそこで終わった。
 デートか。
 うん。行ってらっしゃい。

「あのさ、和樹、考えたんだけど、結梨先輩って大学では呼んだらどうかな?」
 私にはデートの予定も何もないので、も一度リビングに行って和樹に話かける。
 和樹はソファにもたれて何か本を読んでいるところだった。
 私の言葉に、本から視線を外してこちらを見た。
「医学部に、結梨先輩なんていたかな?」
 うっ。
 ううううっ。
 何たる嫌味を!
 どうせ、私は医学部じゃありませんよっ。ぷんすかっ!
「もう、和樹には食堂のおすすめメニューとか、おすすめサークルや同好会情報とか、気をつけないといけない教授ランキングとか教えてあげないんだからっ!」
 ソファから身を起こし、本をテーブルの上に置いた和樹が私の隣に座りなおした。
「結梨先輩、僕、大学のこと何も知らないので色々教えてください。結梨先輩のおすすめの食堂メニュー知りたいです」