義弟が『俺、異世界賢者の転生者だ』と言い出した【中編】

 なんか、おみやげ物屋さんでよく見かける色のカラフルな石にしか見えないんだけどなぁ。
 騙されてない?
 っていうか……。
「なんだかんだ言っても、和樹もこの人たちをお金もなしで放り出すのは心配なんだね。優しいね」
 10万なんて大金渡すくらいだもん。
 お年玉とかためてたのかなぁ。
 和樹、ゲームが欲しいとかそういうのあんまりなかったから使ってなかったもんねぇ。
「あ、いいこと思いついた」
 和樹がぽんっと手を打つ。
 和樹が、ノートを一枚破り、そこに何か書き始めた。
 日本語じゃない。
 そして、言葉の下に魔法陣を書き込んでいる。
「このバカげた召喚を提案したの誰?」
 白髪がびくんっと肩をゆする。
「ドライン王国の……サバス三世陛下でございます……」
 消え入るような小さな声で答える。
「ふーん。サバス三世ね?俺の時代はサバス二世だったけど、その子供?それとももうちょっと時代経過してんのかな?まぁーなんだっていっか」
 和樹が書き上げた紙を折りたたんで小さくする。
 もう一枚ノートを破って魔法陣を書き、その中央に折りたたんだ紙をと小さな魔石を一つ置く。

■24

「ドライン王国のサバス三世の元に送信。読んだら既読と返信せよ」
 へ?
「既読?と返信?」
 どうにもこうにも魔法陣っぽくない単語が出てきて思わず目が点になった。
 目を点にしている間に、魔法陣の中にあった紙が消え去る。
「うっわぁー!和樹、すごい!どうやったの?」
「どうやったって、手品じゃないんだから。種なんてないよ。魔法、魔法。転送魔法」
 目を点にしていたのは、私だけじゃなかった。
 白髪と禿頭の二人も目が点になっている。
「す、すごい!さすがは白の大賢者様です」
「こんな短時間で魔法陣をくみ上げ、そして成功させるなど……」
 点になった目が、今度はきらっきらと輝いている。
「あ、既読になったな」
「おお、便利ね!」
 魔法陣の中央に既読の文字が現れた。魔法陣の文字と違って、しっかり日本語です。
「な、なんと!相手が開封して読むとこのように知らせがくるとは!」
「すばらしい!これならば情報の行き違いが防げるというものです!」
 男たち二人の目のきらきらが増していく。
 あー、これ、崇拝系の目つきだよね。
 うん、いやな予感しかしない。
「白の大賢者様!で、弟子に、弟子にしてください!」