唇をとがらせて隆が言う。この半年で夏美も隆の副社長らしくキリリとしたところを何度か見る機会があった。しかし、プライベートでこうして二人きりで過ごすときの隆は、ものすごく甘えん坊だ。
イラストの仕事が週末までに終わらずに、隆の部屋に持ち込んだことがあった。隆に先に眠ってもらって自分は深夜までイラスト制作をしようと起きていると、隆が起きてきた。
「夏美ちゃんがこの部屋にいるのに…横で寝てないなんて、我慢できない。夏美ちゃんがどうしてるか気になって眠れない」
「どうしてるって…イラスト、描いてるだけよ」
「本当?本当は、僕の知らない男とラインとかしてるんじゃない?!」
「そ、そんなわけ、ないじゃない!」
ほとんど言いがかりに近いのだが、隆としては自分のテリトリーにいるのに、夏美が側にいないのが寂しくて仕方ないらしかった。しょうがなく、夏美は隆が眠るまで添い寝して、隆が寝息を立て出すのを確認してからイラスト描くようにした。それくらい、隆は夏美にべた甘なのだ。
「夏美ちゃん、汗かいてる」
顔を寄せたので気がついたのか、熱のある夏美の額を、隆がタオルで汗を拭いてくれる。夏美は隆からタオルを受け取り、顔を埋めた。
「はあ。毎回思うけど…隆さんのとこのタオル、最高」
隆とつきあうようになってから、お互いの部屋に行き来するようになった。隆のマンションの部屋に初めて来た時は、あまりのデラックス感にめまいがしたほどだった。先に隆の部屋に来ていたら、とても自分の部屋には誘えなかっただろう。
整ったインテリア、物の少ないリビング、掃除の行き届いた床。どれもこれも、マンションのモデルルームみたいだった。夏美は、緊張してしまって、なかなか寛げなかったのだが、そんな夏美の気持をほぐしたのが、このタオルだった。
シャワーを浴びた後、脱衣所にあったタオルを使わせてもらうと、信じられないほどのふわふわ感だった。一流ホテルのタオルだってこんなではないだろう、というくらいだ。夏美は夢見心地になってはしゃいだ。
「隆さん!このタオル、どこで買えるの?」
「うん?あー、これ、トシが選んでくれた奴だ。気に入った?」
「うん…!」
隆が言うところによると。生活雑貨全般にやけに詳しい友人のトシさん、という人がいて、その人からすすめられるままに揃えているとのことだった。
イラストの仕事が週末までに終わらずに、隆の部屋に持ち込んだことがあった。隆に先に眠ってもらって自分は深夜までイラスト制作をしようと起きていると、隆が起きてきた。
「夏美ちゃんがこの部屋にいるのに…横で寝てないなんて、我慢できない。夏美ちゃんがどうしてるか気になって眠れない」
「どうしてるって…イラスト、描いてるだけよ」
「本当?本当は、僕の知らない男とラインとかしてるんじゃない?!」
「そ、そんなわけ、ないじゃない!」
ほとんど言いがかりに近いのだが、隆としては自分のテリトリーにいるのに、夏美が側にいないのが寂しくて仕方ないらしかった。しょうがなく、夏美は隆が眠るまで添い寝して、隆が寝息を立て出すのを確認してからイラスト描くようにした。それくらい、隆は夏美にべた甘なのだ。
「夏美ちゃん、汗かいてる」
顔を寄せたので気がついたのか、熱のある夏美の額を、隆がタオルで汗を拭いてくれる。夏美は隆からタオルを受け取り、顔を埋めた。
「はあ。毎回思うけど…隆さんのとこのタオル、最高」
隆とつきあうようになってから、お互いの部屋に行き来するようになった。隆のマンションの部屋に初めて来た時は、あまりのデラックス感にめまいがしたほどだった。先に隆の部屋に来ていたら、とても自分の部屋には誘えなかっただろう。
整ったインテリア、物の少ないリビング、掃除の行き届いた床。どれもこれも、マンションのモデルルームみたいだった。夏美は、緊張してしまって、なかなか寛げなかったのだが、そんな夏美の気持をほぐしたのが、このタオルだった。
シャワーを浴びた後、脱衣所にあったタオルを使わせてもらうと、信じられないほどのふわふわ感だった。一流ホテルのタオルだってこんなではないだろう、というくらいだ。夏美は夢見心地になってはしゃいだ。
「隆さん!このタオル、どこで買えるの?」
「うん?あー、これ、トシが選んでくれた奴だ。気に入った?」
「うん…!」
隆が言うところによると。生活雑貨全般にやけに詳しい友人のトシさん、という人がいて、その人からすすめられるままに揃えているとのことだった。



