再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません

一緒にいた女性は、栗色の真っ直ぐ伸びた髪、綺麗な二重瞼の大きな瞳、大輪の花が咲き誇ったような華やかさがあった。
 
驚きのあまり、私は口にしていた和紅茶を噴き出すところだったけど、無事に飲み込み難を逃れた。
 
私はちらりと二人を盗み見る。

悠くんと一緒にいる女性の姿に見覚えがあった。
 
あの美人さん、従姉妹さんだよね?
 
以前、悠くんが見せてくれた彼女の挙式に参列した時の写真を思い出す。

実際見てみると、二人は兄妹のようになんとなく似通っている。
 
二人は私の一つ前のテーブル席に腰を下ろした。

悠くんは背中を向けていて、私に気付きそうにない。

私に気付いて欲しかったような、欲しくなかったような……。

一人で出かけていることを知られたら、無駄に心配かけさせてしまうからね。


二人は和スイーツを食べながらお互いの大学の話や近況を話していた。

盗み聞きするつもりはないけど、近くにいる為会話が耳に入ってしまうの。


「あさひの帰りを待ちながらゲームしていたんだけど、寝落ちしちゃってね。いつの間にかベッドまで運んでくれたの……!」


途中、従姉妹さんの結婚生活の話がメインになり、私は微笑ましくなってくすりと笑みを零していた。

幸せそうでなによりです!

残りのかき氷を食べながら、ほっこりとした気持ちで耳を傾けていた時だった……。
 

「あのさ、悠って彼女出来た?」


従姉妹さんが突然投げかけた疑問は、私の中の微笑ましい感情を消し去り、凍てつかせた。