そのまま快速列車が来るまで、一緒に待っていた。
「定期を拾ってくれたお礼、用意したんだ。良かったら受け取ってくれる?」
突然、彼はそう言ってラッピングされた小さな包みをあたしに差し出した。
「いえ、お礼なんて……あたしはただ拾っただけですから」
「定期代の数万は結構痛いよ。君のおかげで本当に助かった。だから貰って欲しい」
譲らない彼に折れて、あたしはおずおずと小さな包みを受け取った。
「気に入るか分からないから開けて見てくれる?」
言われるがままに開けてみる。
せっかく用意してくれたものだから、中身がどんなものだろうが文句を言うなんてありえないのに。
中に入っていたのは、猫のゆるキャラの可愛いキーホルダーだった。
このキャラクターはクラスの間で流行っている。
しかも、キーホルダーは限定のキャラデザインだった。
「あ、可愛い……っ」
「猫は好き?」
「はい、大好きですっ」
可愛いキーホルダーにテンションがあがったあたしは思わず満面の笑みを浮かべていた。
「付けてあげる。ランドセルに付けても大丈夫?」
「大丈夫ですよ」
彼はあたしが背負っている茶色のランドセルの側面にキーホルダーを付けてくれた。
キーホルダーを付け終えたタイミングで快速列車が停車した。
「危ないから掴まって?」
「あ……」
乗り込もうとした時、電車とホームと間隔が空いていたのか、彼は落ちないようにあたしの手を掴んでくれた。
その仕草はまるで王子様みたいで、ドキドキしてしまった。
あたしの心臓は忙しい……。
「定期を拾ってくれたお礼、用意したんだ。良かったら受け取ってくれる?」
突然、彼はそう言ってラッピングされた小さな包みをあたしに差し出した。
「いえ、お礼なんて……あたしはただ拾っただけですから」
「定期代の数万は結構痛いよ。君のおかげで本当に助かった。だから貰って欲しい」
譲らない彼に折れて、あたしはおずおずと小さな包みを受け取った。
「気に入るか分からないから開けて見てくれる?」
言われるがままに開けてみる。
せっかく用意してくれたものだから、中身がどんなものだろうが文句を言うなんてありえないのに。
中に入っていたのは、猫のゆるキャラの可愛いキーホルダーだった。
このキャラクターはクラスの間で流行っている。
しかも、キーホルダーは限定のキャラデザインだった。
「あ、可愛い……っ」
「猫は好き?」
「はい、大好きですっ」
可愛いキーホルダーにテンションがあがったあたしは思わず満面の笑みを浮かべていた。
「付けてあげる。ランドセルに付けても大丈夫?」
「大丈夫ですよ」
彼はあたしが背負っている茶色のランドセルの側面にキーホルダーを付けてくれた。
キーホルダーを付け終えたタイミングで快速列車が停車した。
「危ないから掴まって?」
「あ……」
乗り込もうとした時、電車とホームと間隔が空いていたのか、彼は落ちないようにあたしの手を掴んでくれた。
その仕草はまるで王子様みたいで、ドキドキしてしまった。
あたしの心臓は忙しい……。