あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を

イヅナの目の前にあったのは、美しいドレスたちだ。プリンセスラインのような可愛らしいデザインからマーメイドラインの大人っぽいデザインまで、色も種類も数多くある。ドレスに合わせるアクセサリーや靴なども数多く揃えられている。

「お嬢さんには、可愛らしいプリンセスラインやベルラインのドレスが似合いますね」

「色は、瞳と同じ水色に致しましょうか？でもこっちの色も似合いそうですね！」

男性二人がすぐさまドレスやアクセサリーを手に取り、イヅナに手渡そうとする。イヅナは逃げようとしたものの、男性の一人がドアの前に立ち塞がり、店から出られないようにされた。

「あ、あの……」

イヅナは男性に声をかけるも、男性は聞こえていないようにニコニコと笑い、ただドレスを触らせようとしてくる。イヅナはそれに距離を取ることで抵抗する。それが数十分ほど続いた。

「こちらのドレスはお気に召しませんでしたか？お嬢さんはどのようなドレスがお好みで？」