あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を

女性の名前はルーシー・ホワイト。魔法界を取り締まる魔法警察に所属し、魔法界の平和と安全を日々守っている。

「この二人は魔法学校時代の頃はいつも一緒にいて、一番信頼できる人たちだよ」

ウィリアムがそう言うと、照れくさそうに後ろでルーシーとピーターが頰をかいたり俯いたりする。

そしてイヅナたちがそれぞれ自己紹介をし、握手を交わした後は、いよいよサバトの会場への潜入だ。

「ここからは魔法使いたちしかいない世界だ。普通の者たちは入れないが、あんたたちには今、ウィリアムの魔法のおかげで魔法使いと同じ魔力を持っている。だから会場に入れる。でも、サバト会場に売られているものに触れれば、その魔法は解けてしまう。だから絶対に何も触るな」

魔法が解けてしまえば、どんな危険な目に遭うかわからない。何も触れないことは少し残念だが、イヅナは真剣に頷く。アレンたちも頷き、ウィリアムたちを先頭にサバトの会場の中へ足を踏み入れた。