玲子は気持ちが不安定になると、一人でいる事に恐怖を感じる。

そして、それがいやな記憶に直結してしまうのだ。

「ギュッとして、光」

「わかった、玲子、ぎゅっ」

まるで子供に返ってしまったような言動や振る舞いに、ちょっと戸惑った時もあったが、

僕は精神疾患について日夜勉強した。

個人差があるため、とても難しいのが本音だ。

僕はしばらく大学病院の勤務を休む事にした。

玲子といつも一緒にいるためだ。

いま、玲子の側にいてあげないと、後悔してしまう気がした。

朝、目覚めると一緒にキッチンへ移動して、朝食の準備をする。

そして、一緒に朝食を食べる。

どこかが触れていないと、不安になるためいつでも玲子の表情を確認しながら行動した。

なるべく刺激を与えないように配慮した。

そんな毎日に、僕に疲れが現れてきた。

眠れない日が続いた。

このままでは僕が参ってしまう。