最後に顔をみてやろうと、ゆっくりと目を開ける。
綺麗な二重。瞳が茶色くて、シルバーに染まっているけれど子犬のようなふわふわな髪の毛。
ヤクザというような、怖い人が話しかけているとばかり思っていたけど、今私の目の前に立っている男性はめちゃくちゃ若い。
こんな若い人まであのヤクザの一員なんだろうか。
見たところ10代後半に見える。
年齢を聞くのも失礼な話だなと思い口を閉じていると、男がゆっくりと口を開いた。
「そのナリ。いかにも『お嬢』って感じだな」
私のピンクのドレスを見て、ウンザリしたような顔をした。
背筋が凍る。
『やっと見つけた』と、目が言っている。
…………仲間を、アイツらを呼ぶんだろうか。



