男性を見るとこんな真冬なのに黒いジャージとパーカーしか着ておらず、ドレス姿の私が言うのもなんだけど、とても寒そうだ。
「運ぶぞ、捕まれ」
「あ、あなたはだれ? アイツらの仲間?」
「仲間? 何言ってんだ。オレは普通に学生。高校通ってる」
10代後半に見えたけれど、まさか私と一緒の高校生だったなんて。
「……私は17歳の高校2年なのだけれど、あなたは?」
「俺も一緒。17」
……17歳。私と一緒だ。さっきまでアイツらの仲間かと思っていたけれど、そんなふうには見えない。『アイツら』を呼ぶ目ではない。
でももう会うことはないのだから、この人にどれほど興味をもっても意味がない。
言われるがままに担がれ、しっかり捕まる。
私はどこに運ばれるのだろう。
きっと奴隷のようにコキ使われ、あわよくば性奴隷にでもされるんだろう。
「…………うっ、グッ………グズ………」
男の子には申し訳ないが涙が止まらない。担がれている状態で溢れ出る涙を静かに流した。



