妹はそう言った後、テレビでしている占いコーナーを見るためにテレビをつける。ちょうど朝のニュースが始まったところで、「おはようございます」とアナウンサーが頭を下げて下げていた。

テレビをつければ、嫌でも今日の日付が見えてしまう。律の目にも、「11月25日」という数字が見えた。その途端、気持ちがグッと沈んでいきそうになる。

「今日であの日から三年か……」

テレビを真剣に見る妹には聞こえない声で、律はボソリと呟いた。



凪を問いただしてやろうと思い、律はかばんにそのサーカスへの招待状を入れ、学校に向かう。歩いていると、「よっ、律!はよ〜」と凪と数人の友達に声をかけられた。

「はよ〜」

律も挨拶を返した後、「おい、凪。こんな変ないたずらやめろよ」と言いながらかばんからサーカスへの招待状を出す。友達は「何だよそれ」と興味を示し、凪は驚いた顔を見せた。

「こんなくだらない招待状につられて、ここに書いている住所に行くような馬鹿いないだろ?」