宛先不明ですが、手紙をしたためました。




どうやら、そこからだったらしい。

本当に呆れるしかない。



「あんたが私に告ってきたときも、彼氏は居るから、っていくら言っても『顔が好き』だとか『スタイルすごい良いよねー』しか言わないから。見た目で判断する奴が、私、一番、大っ嫌い!」



楓が海藤くんを嫌う理由は、それだったのか。

ようやく判明して、すっきりした。

どんなにクラスの女子たちが、彼に絆されていても、楓だけは靡いていなかった。

もちろん、当時から運命共同体の恋人が居たのもあるのだろうけれど。

海藤くんも喋らなくなって、少し気の毒になってくる。

これだけショックを受けた彼なら、もう何も起こす気は無いだろうと思ったが、楓に少し近付こうとする。

すると、楓は私を腕で静止し、更に前に出ていく。



「そもそも! 華世のこと、悪く言ったこと、謝れ!」

「ちょ、楓……」



きつい言い方を止めようとしても、少し距離が出来ていて、声が届かない。

その間に、楓がヒートアップしていく。



「何でも言うこと聞いてくれる子だとでも思ったんでしょ! ふざけるな! あんたのこと、より一層、許せなくなった。だいたいね、そういう男って、将来もれなくモラハラ男の本性、丸出しになるから。どんなに取り繕っていたってね!」

「ちょっ、ちょっと、楓っ。さっきから、言い過ぎだってば……」

「本当のことよ。だって、今でさえ、自分に自信たっぷりで、この自己中さ。当たり前よ」



ようやく楓の言葉の遅すぎる隙間を見つけて、ようやく彼女に届いた己の手で、止めに入る。