「私、健太くんのこと……」

「え、おお、うん」

「嫌いじゃないからね!」

「お、おお」

「だから……だから、健太くんも私をもし嫌いじゃないなら、せっ、せめて、もっと話し掛けてね! これからも仲良くしてほしいから。幼馴染みとしてくらいは」



私の精一杯の告白に、健太くんも楓もポカーンと口を開けている。

そりゃ、私だって突拍子もないことをしていると思う。

だけど、互いに避けられているとか、嫌われているなんて、そんなすれ違いはここで解消しておきたかった。

すると、楓が溜め息混じりに言う。



「幼馴染みとしてぇぇぇ?」



続いて、健太くんは私の顔をじっくりと見る。

その顔が熱っぽく見えて、私までつられてしまう。



「……今更、無理だろ」

「え、そんな……」



――こんなに私に構ってくれるのに、子どもの頃と同じような雰囲気に戻れないとしても、仲良くはしてもらえないの?

私のただの自惚れだったのかもしれない。

悲しくなって、その態度を包み隠せない。

無理だと言ったくせに、頭をポンポンと優しく撫でられる健太くんの心理が分からなかった。



「本当に、華世ちゃんって……。もう、そんな顔しないで」



誰が、こんな顔にさせているのか。

頬を膨らませる。



「華世。その顔も蜂矢くんには逆効果だよ」

「もう、意味が分からないよ……」



私は顔を覆って、唸る。