宛先不明ですが、手紙をしたためました。




言葉を止めた私を男子2人が、じっと見る。

健太くんの眼差しだけは「見守ってくれている」という表現が正しそうだ。

その眼差しに、背中を押され、息を吸い込む。



「子どもの頃から、心に決めてることがあるの。私は、誰でも良い訳じゃない」



信念を貫いて、はっきりと言い切る。

ドキドキと心臓は騒ぐけれど。

『本当に私のことを、好きだ、って想ってくれる人だけに尽くしたい』

『誰かの特別に』

『自分自身のことを、何とも思っていない人と一緒に居たって、意味が無いよ』

海藤くんの瞳を見れば、十分過ぎる程に分かる。

別に私のこと、好きでも何でもないってことくらい。

そんな人に頭を撫でられたって、私の感情が行き場を失うだけだ。

この時だけは、揺らがない私の瞳に圧されてか、海藤くんも呆気にとられている。

そして、ふっと我に返った彼は、健太くんに掴まれたままだった腕を振り払う。



「いい加減に離せよ。……いってぇな、怪力かよ」



海藤くんは悪態を吐いた後、私に視線を送る。

――やっぱり、この感じだ。教室で感じていた違和感。

周りの人たちは何も変わらないのに、海藤くんだけ雰囲気や様子を突然に変えたのは、どうしてなのだろう。

ひしひしと感じていると、彼の口がゆっくりと開いた。



「栗山さんって、何かさ。いっつも我が儘な女子達の言うこと、はいはいって聞いてさ、ふわふわ~ってしてる子だと、俺思ってたの」