「優、お風呂沸いたけど…?」





仕事中の優がいる部屋をひょっこり覗き込んでそう声をかけてみる。





「先入って」


「分かった。無理しないでね」


「うん」





私の方を見る余裕もないのか、ずっとパソコンに目を向けてる。



寂しいけど……こればかりは仕方がない。





(私も忙しい時はこんな感じなんだろうなぁ…)




今は優と違って落ち着いてるけど……私自身も忙しい時は家に仕事を持ち帰ることがある。



私が忙しい時は優が身の回りの事を全てしくれていた。



そういうのって一緒に暮らしているからこそ出来ることで、





「優、お風呂上がったよー……」





もう一度覗いてみると、そこにはウトウトとなんだか眠そうな優の姿。





「あー……うん、分かった」


「大丈夫?そろそろ休憩したら?」


「んー……」





メガネを外すと


目元を軽く擦りながら私を手招きする。



引き寄せられるように近づけば、優は眠たそうな顔を私のお腹辺りにうずめる。



背中に回された腕の力は想像通り緩い。





「眠い…」


「見て分かるよ」


「………………」





ワシャワシャと頭を撫でてあげる。