「いつもここで食べてんの?」


「いやぁ~…今日はちょっと気分的に公園で食べたかったというか……」


「ふーん」





中に入って来ると、泉くんは私の座るベンチの隣、もう1つ空いたベンチへ腰掛けた。






「俺もここで食べていい?」


「ふぇっ!?」


「今ちょっと気疲れしてて会社戻りたくないんだよね。休憩時間くらいはゆっくりしたいし」


「わ、分かる~!!分かる分かる!!そういう時ってあるよね~!私もそうなの!!だからたまにここで食べるんだ~」


「いいね、ここ。いつも通り過ぎるだけで気にもしなかった」


「泉くんもそういう時はここで食べるといいよ!落ち着くよ~だいぶ!


……あ、でも私がいると落ち着けないか」


「葵さんは大丈夫」


「え。えー…本当に?」


「なんでだろうね。」






サァ…と草木が揺れ、顔にかかった髪を払い除けようと耳に引っ掛ける。



その時、ちょうど見えた泉くんの横顔は口から心臓が飛び出ちゃいそうになるほど綺麗で。






「逆に、落ち着くんだよ」


「っ、」


「同期だからかな。気疲れしない」






そ、そう言って笑わないでよ……


心臓が破裂しそうになる。






他の人はダメなのに、私のことは大丈夫。



そんなの、なんか、特別…みたいな。