「朝になったら大家にでも連絡してスペアキー貰いなよ。それまではここに居ていいから」


「でもやっぱり迷惑じゃ…!!」


「たったの数時間ぐらいどうてことない。
それとも朝になるまで外で過ごしたい?」


「カ、カラオケとかで朝になるまで待つとか…」


「良いと思うけど、この辺ないよね?あったとしても3駅先だよ。電車はもう動いてないし、そこまで歩くの?」


「うっ…」


「せっかくの金曜日なんだからちゃんとしたところで寝なよ。その方が身体も休めるし」


「で、でも」


「……でもでも煩いなあ」


「え?うわっ!!」






ずっと同じ場所から動けずに立っていた私の腕を力強く引いてはベッドに放り投げられた。




ギシッとベッドが軋む音。


それは私が投げ飛ばされたから鳴った音ではなく、ベッドに横たわる私を挟んで泉くんが手をついてきたから。





ちょ、ちょっと待って…!!?

近い!近いよ…!?