≪大雅side≫




最初は少し緊張していたような結衣だったが親父の得意のトーク力でいつの間にか和気あいあいとしていた。


そして遅くまで大人たちはワインを、そして俺と結衣はジュースを飲んで話をする。


親父が帰ってくるのは久しぶりだったから楽しくて時間を忘れていたんだ。


結衣の母親が酔っ払ってソファで寝てしまってようやく時計を見た俺ら。



時刻はもう深夜1時を過ぎていた。

結衣は眠くなってきたのか段々と目がとろんとしてきている。


大「結衣、眠いなら部屋行くか?」

結「えっでも……」

秀「無理しないで寝ていいよ。」

瑛「また熱でも出されたらたまったもんじゃねーしな。」

琉「俺が部屋まで連れて行こうか。」


結「もう!本当みんな心配性なんだから!1人で大丈夫だよ!じゃあ…お先に失礼します。」

結衣は笑いながらそう言って部屋に行ってしまった。

最近俺らの結衣に対しての過保護が増した気がする。



すると結衣が部屋に行くのを見て親父が口を開いた。

父「お前ら、雰囲気変わったな…」

大「変わった?そうか?」

父「なんか…トゲが無くなったというか…丸くなった。」

秀「たしかに…大雅とか喧嘩しなくなったもんな?」

とニヤニヤしながらそう言ってくる秀兄。

大「うっせぇ。」

父「そうか。結衣がこの家に来てお前たちにとっていい刺激になったのかもな。どちらかと言うと女性を毛嫌いしてそうなお前たちだったから心配はしてたんだ。」


心配…ね。


それにしてはよくも2人で海外に行ったよなと心の中でそう呟く。



すると秀兄が口を開いた。
 
秀「彼女の真っ直ぐで優しくて強いところにみんな変えられたのかもね。」

確かにそうだ。

あいつめちゃくちゃ弱ぇし小動物みたいにちょこちょこしてるけど本当はとても強くて人思いなやつだ。


大「俺はさ…あいつを守った時“大雅兄は強い“って言われて初めて分かったんだ。喧嘩に勝つだけが強さじゃねぇって…」


瑛「俺もさ…最初あいつのこと信じられなくて酷いことした。それでもあいつ…自分の体調崩してまで俺らのご飯作ろうとしてくれたり、酷いことばっかしてた俺を優しいって言ったんだ……」


琉「俺もあいつのおかげで心が軽くなったこと多々あったな。本当にあいつは……」

秀「結衣ちゃんは…不思議なパワーがあるよね。それは学校でもそうだよ。彼女に救われている人…たくさんいると思う。」


俺らは順々に話していった。

すると親父が

父「真っ直ぐで優しくて強い…か。それは興味深いな。見てみたい。そんな結衣を。あ、そうだ……」


その後も俺らは結衣の話ばかりしていた。


そして朝方3時半過ぎに全員就寝したのであった。