≪大雅side≫



なぜか突然俺に冷たくなった結衣。


俺…なんか悪いことしたか?
 

期待させないで、か……。

わけわからねぇ。

俺は頭を悩ませていた。


もう一回ちゃんと話し合うべきだろうか……

放っておくべきだろうか……。






さっき…あいつ熱かったよな。

もしかしてまた熱を…


あーーー!!
でもあいつの部屋に行ったら…また追い出されるかもしれないし…


とりあえず琉兄に連絡するか。

俺は琉兄に電話をかけた。

琉『大雅か。どうした。』

大「結衣が…熱かった。多分また熱出していると思う。」

琉『そうか…。でも今日は急患が多くて帰れそうにない。熱を測って熱が高かったら俺の部屋の救急箱に解熱剤入っているから飲ませておいてくれ。』

大「でも…」

琉『悪い。忙しいからもう切るぞ。』

大「あ、おい!!」


……切れてしまった。

いつもならすっ飛んでくるのになんでよりによって今日だけ…


しゃーねーか。

俺は急いで帰宅し、結衣の部屋に行った。

結「なに?」

大「あのさ…」

結「今勉強してるから…」

そう言って一向に目を合わせようとしない結衣。

俺は隙を狙って結衣の額に手を当てた。

結「触らないで!」

大「熱いじゃねーかよ。」

結「それは…」

大「はい。熱測って。」

俺は結衣に持ってきた体温計を渡した。

結「…やだ。」

大「測れって言ってんだろ!!」

結「もう私のことは放っておいて!」

大「なんでそんなに怒ってんだよ。」

結「大雅兄だって怒ってるじゃん!!」


大「分かった。じゃあ俺の事嫌いでもいいから熱測って。」

俺がそう言うと明らかに動揺した結衣。

そして体温計を受け取り熱を測った。


大「ほら。38.9℃もあるじゃねーか。」

…よくこの熱で勉強してたな。


結「測ったからもういいでしょ?」

大「よくねーって。これから飯と薬持ってくるから。」

結「いらない。」

大「ダメだ。」

結「いらないって言ってるじゃん!」


なんでこんなに怒ってるんだよ。

とりあえずなんか食べるもんでも作るか。




はぁ…。

いくらなんでも結衣にここまで拒絶されると流石に堪える。

原因はなんだ…
俺がなんかしたのか?

分からない。分からなすぎる。


俺はずっと考えていたが結局思いあたる節はなかった。

そしてお粥を作り琉兄の部屋から薬を持つと結衣の部屋に向かった。