≪秀side≫

次の日の朝、結衣ちゃんのお母さんは帰って行った。

秀「おはよう〜」

結「秀兄…おはよう!」

秀「あれ?大雅は?」

結「まだ起きてこないなぁ。」

秀「結衣ちゃんは今日はまだお休みするように言われてるんだよね!なら…大雅も休む気かぁ?」

結「あはは…大雅兄らしい…」



結衣ちゃんを1人にはしておかない、大雅なりにそう考え、今日は休んだのだろう。


正直、今の結衣ちゃんを1人残すのは不安だったからそれには同感だ。



俺達社会人はそう簡単には仕事を休むわけにはいかない。

休むには大雅が1番適任なのかもしれない。

それは結衣ちゃんのためにも。



俺はそう思いその日は出勤した。

そして授業という名の仕事をやる。

授業中に喋り出す男子たちを注意しながら授業をするのはそんなに簡単なことではない。


むしろ少しめんどくさいくらい。

小テストをやればブーブー言われ、注意すれば反抗される。


それが高校教師だ。



そんな1日を今日も終えて俺は家路へと着いた。


そしてその日結局大雅は学校には来なかった。





大雅が家にいるのは分かっていたから何も心配はしなかった。

むしろ結衣ちゃんの心配もしなくて良かったから気持ち的にも楽だったけど。


だって彼女は…俺たちにとっても唯一の華だから。






現実はそう簡単にはいかない。


俺のいないところで家では色々大変だったと聞くのは俺が帰宅した後だった。