≪大雅side≫



……万年筆を渡した瞬間
明らかに動揺した様子だった結衣。


あの万年筆に何があるんだ…。



俺が渡すと、すぐに引き出しの中の箱にしまっていた結衣。


秀「その箱…」

結「あ、これ…昔の写真とか…色々入ってるんです。」

秀「ふーん。小さい頃の写真とか?」


大「みたい!!」

結「えぇ……。そんな大したものではないし。」


するとコンコンとノックする音がして琉兄と瑛斗兄が部屋に入って来た。

瑛「ケーキ買って来たけど…」

琉「って…お前らもいたのか。」

大「なんだ…。結局みんなこいつが心配なんじゃねーかよ。」

秀「今結衣ちゃんの昔の写真見せてもらおうとしてたとこ。」

瑛「へー。それは興味あるな。」


結「まだ見せるなんて一言も……」

大「そんなケチケチすんなって…」


そう言って俺がその箱を奪った。



大「これ…………。」

結「それはただの母子手帳だよ。」


瑛斗兄、秀兄は写真を。
俺と琉兄は母子手帳に興味を示した。


大「これ…お前のか??」

結「そうだよ?」

大「………」

結「大雅兄……?」


大「なんでもねぇ。」


……なんでこいつがこんなものを持ってるんだよ。

まぁ、ただの同姓同名なだけかもだな。


俺は母子手帳を琉兄に渡して、結衣の小さい頃の写真をみた。



瑛「お前…小さい頃から顔変わんねーな。」

結「え!?割と大人っぽくなったと思うけど……」

秀「うん。でも…小さい頃の写真も可愛い!」

大「この写真………」


俺は1枚の写真を手に取った。
それは結衣と両親が写っている写真だ。


大「やっぱり……」

結「やっぱり??」

大「この写真…少しだけ俺に持たせてくれねぇか?」

結「え?いいけど……」



そんな話をしていると。

琉「結衣…お前耳下腺炎やってねぇのな。」

結「耳下……?」

琉「俗に言うおたふく風邪だ。」

結「え!?母子手帳ってそんなことまで書いてるの!?」

琉「あぁ…。」

結「私余計なものを見せたかも……」


そんな事を話しながらもそれぞれみんなは夜食のケーキを食べながら結衣の写真を見て盛り上がっていた。



















……俺以外。