≪秀side≫

大雅からなんでもいいから着替えを持ってきて欲しいと言われ駆けつけると服を破かれぐったりしている結衣ちゃんとバイクで乗り込んだであろう大雅が立っていた。



秀「結衣ちゃんこれ、俺の服だけど。あと大雅!!いくら旧校舎でもバイクで乗り込むのはダメだろ。」

そう言いながら俺は結衣ちゃんにとりあえず自分の服を着せ、大雅を叱った。


大「こっちは必死だったんだよ。」


今日、学校にバイクで来ていた大雅。

旧校舎は校舎とは少し離れたところにあるため走って行くにはもう間に合わないと判断したためだろう。


元々バイクでは来るなと叱っていたが今回ばかりは何事もなく済んだのは大雅がバイクで駆けつけたおかげだろうから何も言い返せない。


秀「とりあえず何もなくて良かった…」

大「なんもなくねぇよ!!くそ…なんでこいつがこんな目に遭わなきゃいけねぇんだよ。」

大雅はすぐ近くにあった使われていない机を蹴り始めた。


秀「大雅やめろ!!それに結衣ちゃん…」

大「気失ってる…」

秀「俺らが来て安心したのかもな。」


俺がそう言うと大雅は結衣ちゃんを抱き上げ言った。


大「とりあえず俺はこいつ連れて帰る。秀兄は結衣をこんな目に遭わせた西条達の処分を頼んだ。」

秀「分かった。」


俺は大雅から3人の名前を書き出すと今回の件を上の人に伝えた。

とりあえず無期の停学とのこと。

それだけじゃ足りないような気もするが…




彼女たちのした事は犯罪だ。

結衣ちゃんが訴えでもすればもっと簡単に処分することもできるだろう。


それよりも結衣ちゃんの心の方が心配だ。

ただでさえ人に対して信頼が欠けている彼女。

今回の件で外に出られないと言う事が無ければいいが……。



俺は一通り仕事を終えるといつもより早い時間に帰宅した。