≪琉生side≫

太「お邪魔しまーす。」


結衣が部屋に行って3時間くらい経った時、家に太陽がやってきた。



琉「わざわざ来なくても良かったのに。」

太「そんな冷たいこと言うなよ。で、結衣ちゃんは?」

琉「さっき夕飯持って行った時にはもう眠っていた。」

太「部屋勝手に上がっていい?」

琉「あぁ。」

太陽と共に俺は結衣の部屋へと行った。



太「入るよ~。」

太陽は小声でそう言うと結衣の部屋へ入り、結衣が眠っているベッドサイドへ行った。


太「息、苦しそうだな…」

琉「あぁ…。熱も上がってきている。」

太「だね。薬も飲まずに寝たんだろ?寝てるし、点滴しちゃおうか!」


そう言っている太陽は何故か嬉しそうだ。

琉「いいけど…なんでそんなに嬉しそうなんだ?」

太「家で寝てるうちに点滴なんて俺の妹感あるじゃん!それに採血もついでにできるし!」

琉「お前持ってきたのか?」

太「まぁね♪」

琉「随分と用意がいいな。」

太「いちいち取りに戻るのも面倒だし。」


そう言いながらも太陽は慣れた手付きで駆血帯を巻き採血を始めた。


学生時代採血が苦手だった俺ら。

何度腕を貸しあって練習したことか。


今となってはお互い得意分野だもんなー。


太「ごめんね~ちょっとチクってするよ。そのまま寝ててな~。」



太「よし。固定も完了。」

琉「寝てれば大人しいんだけどな。」

太「みんなそんなもんよ!じゃ、点滴終わるまで琉生の部屋でゆっくりさせてもらうわ~!」

琉「勝手にしろ。腹減ってねぇか?なんか作ろうか?」

太「んー大丈夫ー。」

おれはそう言うと太陽にとりあえずお茶だけ淹れて自分の部屋へと行った。




それからしばらく経ったくらいだろうか。

太「そろそろ終わったかなぁ。点滴。」

琉「だな。俺外してくるわ。」

太「俺も行く。」

琉「2人で行ってどうすんだよ。」

太「いいじゃん!たまには!」

琉「さっきも2人だったけどな。」

太「たしかに。」


そんなくだらない話をしながら結衣の部屋へと行くと結衣は起きていた。



琉「起きてたのか。」

結「琉生お兄ちゃん…ヒック…。」

太「結衣ちゃん、どうした?」

結「怖い…夢……見て…」

そう言いながら泣き続ける結衣。


太「大丈夫だよ。泣くと苦しくなっちゃうよ?」

結「だって…」

太「大丈夫だから。ね?」

そう宥める琉生は本当にお兄ちゃんのように見えた。

そりゃそうか。

琉生も結衣と同い年の弟がいるんだもんな。


俺なんかよりもずっと面倒見がいい。



それからしばらくすると結衣は泣き止んだ。

そして結衣は俺の部屋のベッドに横にするとまたすぐに眠ってしまっていた。