≪大雅side≫





朝7時半くらいに秀兄から電話がかかってきた。



大「もしもし…なんだよこんな朝っぱらから…」

秀『大雅!結衣が行きそうなところ知らない!?』

電話の向こうで秀兄は焦っているようだった。


大「え?結衣いなくなったの?」

秀『いや…。ごめん。なんでもねぇや。』


俺が直感的にそう聞いてみると間が悪そうな反応をする秀兄。

図星か…。


大「言いたくないならいい…。」

そう言って俺は電話を切った。


結衣の事になるとみんな俺に聞いてくるくせに肝心なことは何も教えてくれない。


そんな兄貴達にイライラしていた俺。


そんなこと言われたら意地でも探すしかねぇだろ。


それはそう思った。


しばらく見舞いにも来なかった結衣。


太陽くんの診察を受けたあたりから様子がおかしかった。


太陽くんの言い方からすると結衣はまだ自傷行為をやめられずにいるんだ。


俺の元にも来ないって事は…

あの時の事故を自分のせいだと自分を責め続けているはず…


そして自分を追い詰めすぎてやったに対して自縄自縛になっているに違いない。


あいつは考え無しに行動しちゃう事があるからな…。

頭はいいくせにそーゆーところ馬鹿なんだから…。




俺は病院をこっそり抜け出すと走り出した。


チクショーまだ体力回復してねぇってのに。

結衣のやつ…見つけたらタダじゃおかねぇ!!



俺は結衣が行きそうな場所を無造作に探し始めた。