≪大雅side≫




突然泣き出した結衣に俺は驚いた。



こいつは本当突然泣き出したり…笑ったり…わからねぇやつ。


そんな事を考えていた。


それからもまたしばらくあちこち見回ると俺はすぐに帰宅した。














そして、それから数日が経ったある日。


大「ゆーい!今日の弁当も美味かった!サンキュ!」


結「大雅兄…じゃなくて大雅先輩!そーゆー事は学校ではあまり……」


なんで?兄妹なのには変わらないのに。


結「それにさっき秀先生も似たような事を……2人ともモテると言うのをもっと自覚してください!!」


結衣は頬を膨らませて怒っていたがそれですらなんか可愛いらしく感じてしまう俺はどこかおかしいのだろうか。





俺がポンと結衣の頭に手を乗せて

「よしよし。ごめんな。」

と言ってみると結衣はもっと顔を真っ赤にして怒った。

本当可愛いな。


こいつの事をこんなに可愛いと思ったのはいつからだろうか。




そして放課後、俺は結衣と一緒に帰ろうと思って教室へと向かった。

が、荷物はあるけどあいつの姿が見えない。


なーんだ。トイレか。


んじゃ、結衣の席にでも座って待ってるか。


大「………。」


遅い。


しばらく待ってるけどなかなか戻ってこない結衣。


腹でも下してんのか?




なんだ。近くにバイク停めてきたから一緒に帰ろうと思ったのに……


腹下してるならさすがに待たねぇ方がいいかー。


女子は恥ずかしいだろうし。


先に帰るか……






俺が席を立ち始めた時。

「ねぇ。流石にちょっとやり過ぎなんじゃない?」

「いいのよ。あのこが悪いんだから。男をたぶらかして…あのこみたいなブスが大雅様の妹ぶってるだなんて許せない。」



廊下の奥からボソボソと喋ってる女の声が聞こえた。


俺はカチンときてそいつらの胸ぐらを掴んでいた。




「た、大雅様……」

大「てめぇら、今の話はどーゆー事だよ。もちろん俺にも説明してくれるんだよな?」


「えっ…な、なんのことでしょう…」

大「しらばっくれてんじゃねぇよ!!」


俺は胸ぐらを掴んで軽く上へと持ち上げた。

「あのこが悪いんだから。大雅様だってあのこにつきまとわれて迷惑…」

大「するわけねぇだろ。クソが!!あいつは俺の妹だ。…あいつが戻ってこねぇのはてめぇらのせいか?」

「い、いや……」


明らかに怯えて涙目になってるその女たち。


大「早く結衣の居場所を言えっつってんだろーが。じゃねーと………シャーペンで目ん玉ほじくり出してやろうか。」


俺は咄嗟に持っていたシャーペンをその女の目元まで持っていった。


胸ぐらを掴まれたやつは声も出せない様子で慌てた一緒にいた女が口を出した。



「旧校舎の……。でも、もう……」


んだよ。ここからめちゃくちゃ遠いじゃねーかよ。


俺は慌てて走り出した。


あの女たち俺のこと大雅様なんて言ってたけど俺アイツらの顔はじめて見たんだけど。



とりあえずはやく結衣の元に行かなければ。