≪結衣side≫
大雅兄の目が覚めてからも私は毎日病院に通った。
太「こーら。結衣ちゃん!検診にも来ないで大雅のところにいたのか!」
結「あ!今日検診だった!!」
太陽さんが検診のことをすっかり忘れている私を探しにきた。
大「結衣、検診受けておいで。」
そう言って大雅兄は私の背中を軽くポンと押した。
結「うん…。太陽さん…今日痛いことある?」
太「ちょっと今月は採血しときたいなぁ…」
と少し困ったような笑顔で言ってきた太陽さん。
結「じゃあ…やっぱり今度にしとこうかな…」
大「結衣。受けなさい。」
そう言っている大雅兄はとても怖い顔だ。
結「なんで大雅兄まで…」
大「当たり前だろ。」
太「結衣ちゃんなら頑張れるよ。一緒に頑張ろ!」
そう言って私の手を引く太陽さん。
結「でも……」
太「じゃ、ここでしちゃう?」
結「え!?それはちょっと…聴診とかもあるし……」
太「だって2人とも付き合ってるんだし…いいとこまではいってるんでしょ?」
そうニヤニヤする太陽さん。
結「いいとこ?えと…水族館とか行ったよね!」
私がそう言うと大雅兄は慌てて私の耳を塞ぎ、太陽さんに何かを話していた。
太「じゃあ…診察室で検査しよ!」
結「また今度…」
太「ダメ。先延ばしにしても恐怖心煽るだけだろ?」
結「でも…」
太「ほら、おいで。」
私は無理矢理診察室へと連れて行かれた。
太「結衣ちゃんが採血いながるなんて久しぶりじゃん。どした?」
そう言いながらも準備をしだす太陽さん。
結「うーん…。今日は琉生お兄ちゃんは?」
太「あー琉生ね…。今日は病棟のどこかには居ると思うけど…」
結「じゃあ太陽さんだけ?」
太「そ!じっくりと診察してやるからな?」
そう言うと太陽さんはニヤニヤし始めた。
結「やめて下さいっ!」
太「冗談だって!さ、じゃあ先に採血しちゃおうか!」
結「えっ!いや…後がいい…。」
太「本当どうした?最近克服してきたんじゃないのか?」
結「それは…。」
私が下を向くと太陽さんは何かを察したように私の頭を手をポンと乗せた。
太「左手見せて。」
結「……。」
私は右手を出した。
太「これは右手。採血はいつも左手でしょ?」
結「今日は右手でいい!!」
私がそう言うと太陽さんは私の隠していた左手をとり、袖をまくり始めた。
太「やっぱり…頑なに嫌がってたのはそーゆーことね。」
結「……。」
太「なんでこんな左手傷だらけなの?」
結「……。」
太「結衣ちゃん?言わなきゃわからないよ。」
結「……。」
私は口を閉ざした。
何も言えなかった。
言ったって伝わることじゃない。
まるで自分を殻に閉じ込めるように……。
太「…ま、いいや。…大雅や琉生は知ってるの?」
そう尋ねる太陽さんに私は首を振った。
太「そっか。じゃあ普通に問診するね。最近ご飯ちゃんと食べられてる?」
私はまた首を振った。
太「んーじゃあ夜眠れてる?」
結「いつもそんな事聞かないのに…」
太「答えて。」
結「眠れてないです…。」
太「ん…分かった。じゃあ今日は右腕で採血しよう。次回、琉生同伴で左手で採血するからそのつもりで。」
結「え……。次回も??」
太「こんなことをした罰です。絶対来ること。分かった?」
結「はい…。」
そう言うと太陽さんは採血をしだした。
それがいつもより痛く感じて私は少し泣いてしまった。
太「じゃあお薬少し増やすから絶対飲むこと。あとで大雅のとこ持って行くからそっちで待ってて。」
そう言っている太陽さんは少し怒っているように見えた。
仕方ない。悪いのは全て私だ。
そう思った。
大雅兄の目が覚めてからも私は毎日病院に通った。
太「こーら。結衣ちゃん!検診にも来ないで大雅のところにいたのか!」
結「あ!今日検診だった!!」
太陽さんが検診のことをすっかり忘れている私を探しにきた。
大「結衣、検診受けておいで。」
そう言って大雅兄は私の背中を軽くポンと押した。
結「うん…。太陽さん…今日痛いことある?」
太「ちょっと今月は採血しときたいなぁ…」
と少し困ったような笑顔で言ってきた太陽さん。
結「じゃあ…やっぱり今度にしとこうかな…」
大「結衣。受けなさい。」
そう言っている大雅兄はとても怖い顔だ。
結「なんで大雅兄まで…」
大「当たり前だろ。」
太「結衣ちゃんなら頑張れるよ。一緒に頑張ろ!」
そう言って私の手を引く太陽さん。
結「でも……」
太「じゃ、ここでしちゃう?」
結「え!?それはちょっと…聴診とかもあるし……」
太「だって2人とも付き合ってるんだし…いいとこまではいってるんでしょ?」
そうニヤニヤする太陽さん。
結「いいとこ?えと…水族館とか行ったよね!」
私がそう言うと大雅兄は慌てて私の耳を塞ぎ、太陽さんに何かを話していた。
太「じゃあ…診察室で検査しよ!」
結「また今度…」
太「ダメ。先延ばしにしても恐怖心煽るだけだろ?」
結「でも…」
太「ほら、おいで。」
私は無理矢理診察室へと連れて行かれた。
太「結衣ちゃんが採血いながるなんて久しぶりじゃん。どした?」
そう言いながらも準備をしだす太陽さん。
結「うーん…。今日は琉生お兄ちゃんは?」
太「あー琉生ね…。今日は病棟のどこかには居ると思うけど…」
結「じゃあ太陽さんだけ?」
太「そ!じっくりと診察してやるからな?」
そう言うと太陽さんはニヤニヤし始めた。
結「やめて下さいっ!」
太「冗談だって!さ、じゃあ先に採血しちゃおうか!」
結「えっ!いや…後がいい…。」
太「本当どうした?最近克服してきたんじゃないのか?」
結「それは…。」
私が下を向くと太陽さんは何かを察したように私の頭を手をポンと乗せた。
太「左手見せて。」
結「……。」
私は右手を出した。
太「これは右手。採血はいつも左手でしょ?」
結「今日は右手でいい!!」
私がそう言うと太陽さんは私の隠していた左手をとり、袖をまくり始めた。
太「やっぱり…頑なに嫌がってたのはそーゆーことね。」
結「……。」
太「なんでこんな左手傷だらけなの?」
結「……。」
太「結衣ちゃん?言わなきゃわからないよ。」
結「……。」
私は口を閉ざした。
何も言えなかった。
言ったって伝わることじゃない。
まるで自分を殻に閉じ込めるように……。
太「…ま、いいや。…大雅や琉生は知ってるの?」
そう尋ねる太陽さんに私は首を振った。
太「そっか。じゃあ普通に問診するね。最近ご飯ちゃんと食べられてる?」
私はまた首を振った。
太「んーじゃあ夜眠れてる?」
結「いつもそんな事聞かないのに…」
太「答えて。」
結「眠れてないです…。」
太「ん…分かった。じゃあ今日は右腕で採血しよう。次回、琉生同伴で左手で採血するからそのつもりで。」
結「え……。次回も??」
太「こんなことをした罰です。絶対来ること。分かった?」
結「はい…。」
そう言うと太陽さんは採血をしだした。
それがいつもより痛く感じて私は少し泣いてしまった。
太「じゃあお薬少し増やすから絶対飲むこと。あとで大雅のとこ持って行くからそっちで待ってて。」
そう言っている太陽さんは少し怒っているように見えた。
仕方ない。悪いのは全て私だ。
そう思った。