≪太陽side≫



結衣ちゃんの頬を思い切り平手打ちした琉生。


琉生がここまで怒るのをはじめて見た俺は驚いた。


琉「お前それ本気で言ってるのか…?」

結「だって大雅兄は私のせいで……!」



琉「いい加減にしろよ。なんで大雅はこんなにも体張ってお前を助けたと思ってるんだよ。お前が好きで…愛しくて…しょうがなかったからじゃねぇのか?」


結「……。」


琉「お前を苦しめるためじゃない。大雅はお前に笑ってほしいから助けたんだよ!!お前に生きていてほしいから助けたんだよ!なんでそれをお前が分かろうとしてやらねぇんだよ!!」

琉生が怒鳴りながらそう言うと結衣ちゃんは大泣きした。


琉「それにまだ大雅は生きてる。死んでねぇ。もし目が覚めてお前が死んでいたらそれこそ大雅の気持ちはどうなるんだよ!」

結「それ…は……。」


琉「大雅が起きるって1番にお前が信じてあげなきゃダメだろ。」

そう言った琉生は先程までの威勢とは違い、とても弱々しく見えた。


今の結衣ちゃんを見て自分も何か感じることがあったんだろう。

結衣ちゃんは琉生の話を聞くと“ごめんなさい”と何度も呟き泣いていた。

太「さぁ、結衣ちゃん。病院戻ろう?大雅、待ってるよ。」

そう言って俺は結衣ちゃんを抱きかかえ、車に乗せると病院へと連れて行った。


そして病院につき、弱りきった結衣ちゃんに睡眠導入剤を点滴すると結衣ちゃんはそのまま静かに眠っていった。











大雅…早く起きてくれよ。

もうみんなお前がいない世界に耐えきれねぇよ。

お前…結衣ちゃんの事好きなんだろう?

このままだと結衣ちゃんまで壊れちまうよ。

お願いだから戻ってきてくれ…。



その夜俺は眠っている大雅にそう声をかけた。

それでもピクリともしない大雅。


俺はずっと我慢していた涙が溢れた。




でも俺が泣くのは違う。


1番辛いのは俺ではないから。


わかってるけど……涙が溢れて止まらない。


俺は込み上げてくる嗚咽を抑えながら1人泣いていた。