≪太陽side≫




大雅から連絡をもらって俺と琉生は結衣ちゃんの病室へ駆けつけた。


結衣ちゃんは大泣きしていたのか目が腫れている。


太「結衣ちゃん具合どう?」

結「えと…」

琉「お腹はまだ痛むか?」

結「あれ?そういえば…痛くない…」

太「良かった…熱測ってみようか。」


大「今さっき、39.8℃だったよ。」

琉「そうか?そんなにありそうな感じしないが…」

結衣の首元に触れてそう言う琉生。

太「じゃあ、もう一回測ろうか!」









大「37.5℃……!?何でだ!?え?だって今さっき……」

太「そりゃ解熱剤がすぐそばに居るからな?」

琉「そうだな。」

結「えへへ~」

大「“えへへ~”ってなんだよ!!」

大雅がそう言うと結衣ちゃんは下を向きながら謝り始めた。

結「ご、ごめん…。」



太「いいじゃないの。それほど結衣ちゃんは大雅のこと必要としてるってことよ。」

俺がそう言うと顔を真っ赤にする2人。



琉「太陽。そーゆーことを軽々と思春期の奴らに言うんじゃない。」

太「俺はお似合いだと思うけどなー。」


そう言うと結衣ちゃんは嬉しそうに、大雅は困ったように笑った。


琉「とりあえず結衣は少なからずゴールデンウィーク中は入院だな。」

結「えぇ!!」

太「大雅が帰って来てるのに?」

琉「当然だ。もう少しちゃんとご飯が食べられるようにならねぇと…」


琉生がそう言いかけた時初めて俺は結衣ちゃんが反抗しているのを見た。


結「やだ。私もおうち帰りたいっ」

琉「だけどな…」

結「お願い!!その間何でもするから!!」

琉「なんでもって?」

結「それは……」


そう言って下を向く結衣ちゃん。


太「とりあえず今日朝食を食べてみて決めたらいいんじゃない?どうせ病院に居ても薬と食事で様子見でしょ?」

琉「でも何かあったら…」

太「何かあったら大雅や榊さんだっているんだろ?琉生だって仕事以外は家にいるだろうし…俺も協力するから。」




俺がそう言うと結衣ちゃんは下を向いた。

多分榊さんの事をまだ恐れているんだろう。



大「結衣。榊には俺からちゃんと言うから大丈夫だよ。それに…何でもするんだろ?」

結「うん……。」

太「よし、決まり!とりあえず食事とお薬をちゃんと摂取すること!分かった?」

結「うん!頑張る!!太陽さんありがとう!」


結衣ちゃんは嬉しそうに笑った。