≪結衣side≫


あれから割とあっという間に治った私の風邪。





そして……


兄妹仲も少しは距離が縮まった気がする。












大「おーい!結衣!!」


結「大雅…先輩……わざわざ学校で話しかけなくても…」



大雅兄と話してるとかなり視線を感じる…

それほど大雅兄が人気って事だけど……



私は出来るだけみんなに見られる事を避けたい。







そのためもあるけど……

学校では大雅兄ではなく大雅先輩と呼んでいる。






大「いいだろ。別に……。あ、今日放課後出かけるからな。空けとけよ。んじゃ!」


結「え…ちょっと待っ……」


行ってしまった…
 


話しかけてほしくないとは言ったけどこんなあっさり……


私の返事も聞かずにって……





まぁ、今日特に用事があるわけでもないから良いけどさ。







バイトも禁止と言われてしまったし……





















~放課後~




大「結衣~!お待たせ。」


結「大雅兄…そんな大きな声で名前呼ばないでよっ」


大「でかい声出さねーと声届かねーだろ?」


いやいや。だとしても大雅兄は声がデカすぎるんだよーっ




もう少し自分が目立つ存在だと言うのを自覚して頂きたい……










結「…で。どこ行くの?」


大「え?デート。」


結「デ、デート!???」


大「冗談。そんな顔真っ赤にして喜ぶなって。」


結「別に顔真っ赤になんてしてません!!」


大「喜んでるってとこは否定しないのな。」


ニヤニヤしながら頭をポンポンとしてくる大雅兄。


別に喜んでもないもん。








大「さーて。じゃあ行くか!!」


結「え?結局どこ行くの?」


大「決まってんだろ?お前の服を買いに行くんだよ。」


私の服!?


あぁそういえば約束したっけ。

半ば強引だったけど…


覚えててくれたんだ。






もちろん買い物は近くの商店街


……ではなく。




大きなデパート!!




今まで友達ともあまり遊ばず、お母さんともあまりお出かけしなかった私からすると遊園地みたい。

私は着いた時点でとてもワクワクしていた。