それが急に
腰まであった髪の毛が肩スレスレくらいのギザギザヘアーになり

足首近くまであったワンピースを膝上くらいまでバッサリ斬り刻み

大きなハサミを持って満面の笑みで
俺に向かって走ってきたのである。


母も康之助母も口あんぐりのビックリ仰天。


俺も康之助も腰が抜けそうになり
悠之介だけがボケーッとしていた。


花はその時から、俺が作った壁を飛び越えて
笑顔で俺の世界に土足で踏み込んできた。


いつも大人の膝の上でニコニコしているだけのハナが急に活発になり


子供あるあるの


なんで?なんで?の質問の嵐が始まる。


「なんでハナだけが女の子なの?
ユウちゃんの方がかわいい顔してるのになんでユウちゃんは男の子なの?ユウちゃんは今日からユンちゃんね!その方がかわいいし、ユンちゃんがいい!」


悠之介はかなり嫌がっていたが
幼稚園に入る前の出来事。
確かにかわいい顔した悠之介はユンちゃんが良く似合っていた。

両家の母達も面白がり、それ以来ユンちゃんに定着した。


2人とも記憶には無いだろうから余談ということで…笑


それからはやる事なす事全て俺の真似をして
お転婆街道まっしぐら。


オマケに

「なんでこの中で私だけが
平凡な顔してるのっ?!」


「もしかしてお母さん、私は橋の下から
貰ってきた子じゃないよね?」

と、何度も鏡を見て確認する妹…。


思えばこの頃から無自覚街道突っ走っていた。


もう少し早く教育していれば
もうちょっと上手く誘導できたというものを…


俺とした事が!!


過ぎた事は仕方ない事だが…


幼少期を振り返ってみる。