あいちゃんの前では、“かっこいい彼氏”で居たい。

そのために、今まで努力してきた。

テストでは、学年1位だった。
興味無い人にまで優しく接したし、運動関連のことも全て完璧にした。

そうやって努力してきた。

あいちゃんのことがー……この世で一番好きだから。

「か、海斗くんっ……!」

可愛らしいソプラノ声で僕の名前を呼ぶあいちゃん。

それだけのことで、口元がまたにやけそうになる。

「えっと、私、メイド服着るっ……!」

突然そんなことを言い出したあいちゃん。

「え?」

驚いて情けない声が出てしまう。