またしても、不良らとなずなの戦いが始まりそう。やれやれ。

と、思っていたのだが。



「まあまあ、おまえら。そうイキるな」



その場を治めようとする言葉を発し、宥めようしたのは何故か?シマッピ先輩だった。

何故、そんな優越に浸る得意げな顔をしちゃっているのか。顔面凶器のドヤ顔。

モメてる理由、あんたなんだけど。

諸悪の根源のはずなのに、どうしてそんな偉そうなの?



「けどなぁ?シマッピ!この女、さっきから!」

「ふっ。なずなの狂犬ぶりは今に始まったことじゃねえだろ?」

顔面凶器が『ふっ』って笑った。

顔面凶器なのに、どうしてそんなにすましてるの……!

顔面凶器の澄まし顔。

もう、笑いたい。



だが、俺が笑いを堪えている間にも、事は進んでいく。




「そういうわけでなぁ?なずな、おまえはすっこんでろ?これからは男同士の時間だ」

「あぁ?なんだそれは!伶士に何すんだよ!」

「おーっと。おまえは手を出すなよ?なんか知らねえけど、おまえはケンカ強いからなぁ?」

「そうだ!あん時は、シマッピにフラれた腹いせに、俺ら全員ボコボコにしやがって!」