教室から出ようとすると芽依がいた。

「芽依っ!私、葉月くんと付き合えることになったんだ!後でまたっ……」

私は思わず足を止めた。


芽依が泣いていたから。


「…芽依?」

私は思わず葉月くんの手を振り払って芽依の所まで走った。


「どうしたの…?」

私はハンカチを渡した。

「だい…じょうぶ…。」

芽依は私のハンカチは受け取らずに制服の袖で涙を拭いた。

「そっか…」

私は行き場のないハンカチをポケットに戻した。