たとえば、准さんと一緒にバスに乗っていて、急ブレーキがかけられて、 狭く混んでいる車内で、あたしの体が傾いたときに、あたしの体を包んで支えてくれる、准さん。 軽く、運転席を睨んで 「紅湖がケガしたらどうするんだ。」 呟いた准さん。 いつまで経っても、女の子扱いに慣れないあたし。 でも、あたしを包む准さんの腕の中に居られるなんて、 そうして、公衆の面前で抱き締めてくれる准さんに、 優しさも安らぎも感じる、あたし。