つい、前世の受験勉強なみに頑張ってしまった。
 そのことに気が付いて苦笑する。
「まぁ、でも頑張った知識は無駄にならないし。むしろ三年分、先取りするくらい勉強したから、これからは実技に集中して頑張れるわね」
 うんうん、と頷いてから、今後のことを考える。
「それで、筆記試験の次は魔力を測る検査よね。むしろこっちを先にするべきじゃない?」
 本当に魔力があるかどうかを確かめるための、入学試験のはずだ。それなのに、先に筆記試験をするのはおかしいのではないか。
 そう口にすると、アルヴィンは頷いた。
「その通りだが、試験があるというだけで、本当に魔力がないのなら諦めるだろう。それに、これからやる魔力の検査には、立会人がいる。後回しになったのは、その準備のためだな」
「ああ、そうだったわね」
 入学試験なのに、なぜか騎士団長と魔導師団長、さらに在学中の王太子も見学に来るらしい。さらに、在校生や高位の貴族たちもわざわざ見に来ている。
 どの貴族が強い魔力を持っているのか。
 それを見定めるためだ。
 それだけで、この国がどれだけ魔力の強い者を必要としているのかわかってしまう。