でもきっとアルヴィンが来てくれる。それまで何とか耐えるしかない。

 あれから何度、魔法を打ち合っただろう。
 セシリアは震える手を握りしめて、視線を前に向けた。
 向こうも相当疲労しているはずだ。でも残念ながらセシリアの方が、消費が激しいようだ。
(防御魔法に魔力を使い過ぎているせいね。でも、これくらいじゃないと防げないもの)
 向こうは闇の力を身に纏うだけだが、こっちはきっちりと防御魔法を使わなくてはならない。その分、どうしても消費が激しくなってしまう。
 アレクの魔法を防ぎ、同時に反撃をする。雷撃が闇に防がれ、闇の刃をセシリアの防御魔法が弾き飛ばす。
 魔力はまだ尽きる様子はないが、もう立っているだけで限界だった。
 呼吸が苦しくなって、喉の奥が痛む。
 アレクもそんなセシリアの様子を感じ取ったのか、彼も疲労困憊ながらも勝利を確信して、笑みを浮かべる。
「こんなに手間取るとは思わなかったよ。でも、これで終わりだ」
「!」
 防ぎきれないことを覚悟して、セシリアは必死に防御魔法を唱えた。
「……?」
 だが、衝撃はなかなか訪れなかった。